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「出会いを大事に」震災で犠牲の神戸大生の母、小学生らに講演(産経新聞)

 阪神大震災で神戸大生だった一人息子を亡くした加藤りつこさん(61)=広島市安佐北区=が、震災から15年となる17日を前に、被災地で小学生らへの講演を相次いで行う。息子が生前、りつこさんにあてて書いた手紙は「親愛なる母上様」という曲にもなり、その曲を通じた新たな出会いが今のりつこさんの支えとなっている。「息子が残してくれた手紙をきっかけに、多くの出会いがあった」。りつこさんは講演を通じ、人は出会いによって支えられていることを震災を知らない世代にも伝える。

  [フォト] 「くの字」に崩れた貴光さんの下宿先(1995年1月17日)

 国連職員を目指していたりつこさんの長男、貴光さん=当時(21)=は、神戸大法学部2年だった平成7年1月、下宿先の兵庫県西宮市のマンションが全壊し、亡くなった。一人息子を失ったりつこさんを支えてきたのが、入学式直前の5年4月、下宿先を訪ねたりつこさんのコートに、貴光さんがそっとしのばせた手紙だった。

 《あなたが私に生命を与えてくださってから、早いものでもう20年になります。これまでに、ほんのひとときとして、あなたの優しく、温かく、大きく、そして強い愛を感じなかったことはありませんでした》

 《私はあなたから多くの羽根をいただいてきました。人を愛すること、自分を戒めること、人に愛されること。この20年で、私の翼には立派な羽根がそろってゆきました。そして今、私はこの翼で大空へ翔(と)び立とうとしています》

 ノート1枚に、ボールペンで記されたきちょうめんな字がびっしりと並ぶ。手紙は「あなたを母にしてくださった神様に感謝の意をこめて」と結ばれていた。「まるで遺書みたい…」。震災後、何度読み返しても涙があふれた。

 だがその手紙が、りつこさんに新たな出会いをもたらした。

 手紙に心を動かされたミュージシャン、奥野勝利さん(35)がメロディーをつけ、自身のホームページで発表。19年11月に偶然、曲の存在を知ったりつこさんは、奥野さんと交流を深めるようになった。奥野さんは貴光さんと同学年。「息子が引き合わせてくれたのかな」と、今ではその音楽活動を舞台裏で支えることが生きる糧になった。

 貴光さんを失ってから15年となる今年、りつこさんは奥野さんとともに壇上に立つ。13日午後0時10分から神戸大六甲台講堂で入場無料の追悼コンサートを、14日には宝塚市立長尾小で防災学習の一環としての講演会を行う。「人は人を傷つけもするが、人を救えるのも人。出会いを大事にしてほしい」。りつこさんはそう訴えるつもりだ。

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